サイトトップへ 体験記トップへ mail to Jimbo 2006.10.09.


マレー鉄道の旅
          〜ケランタン州を一人旅

 Jはテレビ朝日の隠れた人気番組?「世界の車窓から」ビデオ全集を持っている。これは、親しい人なら知っていること。確か、以前「独り言」でも書いたかな。取り立てて鉄道マニアと言うことではないし、必ず番組を観るというわけでも無いけど、あの数分の映像に心が癒されるのである。また、家でビデオを観るのは自分がリラックスしたい時。しかも、今まで一度として最後まで観たことがない。何故かと言えば、観ているうちに(ビデオは60分)癒されて眠ってしまうから(笑)  そして、いつもテレビと同じような旅がしたいと思いながら、今までなかなか機会を作れずにいた。そんな中、たまたま読んだマレーシアの日本人向け情報誌を元に、とうとう「世界の車窓から」を体験することができた。 

 ある日、ひょんな事から3連休が舞い込んできた。ちょうど運悪く?バスケで悩んでいる時だったので、気分的には楽しめる感じでもなかったけど、滅多に無い機会と思って当日決心し旅に出た。⇒9月17日の「独り言」参照。 前日は飲み過ぎで二日酔い状態だったけど、バッグに着換えを詰めて車椅子でアンパンパーク駅まで転がし、LRTプトラ線でKLセントラル駅に。ここはマレー鉄道の中心駅で、各方面への発着駅となっている。情報誌のとおり、ケランタン州コタバル方面行きは18:15発。しかし、乗車率は低いという情報を信じて予約をせずに行くと、寝台席は満席で取る事ができなかった。初の寝台列車を楽しみにしてのだが・・・。やはり事前に予約する方が賢い(苦) と言うことで、購入できたのは一般席でMR15(約450円)。情報誌によると一般席でもMR39だったので、一応確認してみると“障害者割引料金”だとか。そんなのあったのかぁと、意外な事実を知る。それにしても、14時間の旅が450円とは安い。

 ホームで待つこと約1時間。急行エクスプレス・ワウ号がホームに入ってきた。その時の感動とワクワク感は何とも言えなかった。出発まで10分くらいあったので、取れなかった寝台席や食堂室に入って写真を撮影。もうこの辺りからは、そうとう興奮してたな(笑)列車は少し古めだけど日本と変らない感じで、まずまず快適だった。定刻どおり発車した列車は、目的地とは逆方向であるシンガポール方面に向けて走り始める。何と言っても、たった500キロ強の道のりを14時間近くかくて走るのだから、そうとうゆっくり遠回りすることは間違いない。


KLセントラル駅(地下ホーム)で、列車を待つ間に案内表示板を撮影


本当はこの場所で快適に旅するはずだった寝台席・・


マレーシアの夕日を車窓からパチリ!これがたまらなく良かった!


普通席列車内の様子。車掌は無愛想だが意外と親切だった


 最初のうちは感動に包まれて楽しかったけど、途中からは夜も更けて真っ暗になってしまい爆睡。ガッガンと、列車が止まって気が付くと、折返し地点のゲマス駅に到着していた。ここからケランタン州に向けて北上していくらしい。ようやく3分の1程度走ったことになる。ここで、携帯電話を確認するとシャリファからSMS(ショートメール)が入っていた。 シャリファは数少ないマレーシア人女性の友達。 彼女はケランタン州出身のパワーリフティング選手で、今は旦那さんと子供を置いてバンギでフェスの強化合宿に入っている。ちょうど同じ週末に自宅へ帰っているらしく「遊びに来ない?」との誘いを受けた。急遽下車駅を変更して、シャリファの家を訪ねることに。

 お尻の皮が剥けるくらいシンドくなってきた頃、夜が明けて景色が見えるようになってきた。車窓からの景色を楽しんだのだが、舗装された道は少ないし、牛がたくさん放牧されているしと、随分様が変ったことに気付く。そんなこんこんなでシャリファの住むランタン・パンジャンから一番近い、パシル・マス駅に到着したのは午前8時。慌てて車椅子を担いで下車。当然バリアフリーとは程遠い電車と駅のホーム間隔だったけど、見知らぬ人たちみんなが助けてくれた。とても親切なんだなー、これが。


パシル・マス駅で14時間も乗ってきた列車を見送る

 駅から電話をすると、シャリファの弟が車で迎えに来てくれるらしい。しかし、仕事の関係もあって1時間以上かるというので、Jは駅の周辺を散策して待つことにした。露店や市場を散策しているうちにお腹が減ってきたので、市場の食堂?で朝食。頼んだのはロティチャナイというナンに似ているパン風の食べ物と、お気に入りのコピ・オ・アイス(アイスコーヒー)両方合わせてMR1.5(約50円)也 


露店の様子だけど、朝から活気がって楽しかった


少し離れたところにあった市場の中にある鶏肉屋


市場の食堂にて朝食タイム


 ところで、車椅子って目立つ目立つ!! 誰も彼もがJに視線を送っていることが分かった。しかも、みんな凄い勢いで話しかけて来る。最初はマレー語で・・・。でも意味が分からず戸惑っていると、片言の英語で「どっから来た?」、「それ(車椅子)幾らするんだ?」など質問攻め。久しぶりに、あの視線を感じた。20年くらい前の自分を鮮明に思い出したね(笑) 

 しばらくすると、ある若い男性に声を掛けられた。「Are you Jimbo?」と。やはり車椅子は目立つらしい(笑) 電話連絡もなしに出会えたのである。さっそく彼の車(1986年式のホンダ車)でシャリファ宅へ向かう。シャリファの家はタイ国境のすぐそば(歩いて行ける距離)だった。到着すると家族みんなでJを迎えてくれた。シャリファの旦那さんは、全く英語を話さない人なんだけど、すごく親切な人柄がにじみ出ていた。また、みんなから“客をもてなそう”という雰囲気が伝わってきて嬉しかった。本当はもう少し居たかったんだけど、旅は始まったばかりなので早々にコタバルへと向かった。


シャリファ宅で昼食(右からJ、旦那さん、シャリファ、シャリファの友人)


シャリファの息子は生の人参を、おやつ代わりにかじっていた!可愛いっしょ?


 コタバルへ行くにあたり、シャリファの友人であるタクシードライバーを呼んでもらった。午後の3時から半日観光をしつつコタバルを目指したんだけど、この時間も興味深かった。 と言うのも、ケランタン州はイスラム色が強い場所にも関わらず、タイ国境に近いため仏教寺院が多かったこと。また、貧困街のような場所も多くて、途上国の一面を垣間見れたのも勉強になった。タクシーのドライバーも、仕事中のクセに「お祈りの時間だから・・・」と、知人宅に寄り道する場面もあった(笑)


トゥンパにある仏教寺院の寝釈迦(東南アジアで最大級とか)


知人宅にて水で身を清め、お祈りする前のドライバーさん(右が居宅で左がお祈り棟)


 半日観光の末にコタバルに到着。午後の3時から6時過ぎまでチャーターしたタクシー料金も、シャリファの友人という事で「幾らでもいいよ」と。困ったJは何度も聞くんだけど答えは同じなので、「MR50でいい?」って聞くとあっさりOK。通常なら倍くらい払ってもおかしくない時間だった。ラッキー。

 翌日は朝から晩まで8時間近く、殆ど車椅子で街中を散策したんだけど、お目当ての目的地は一つ。それは・・・・、第二次世界大戦の記念館。コタバルって日本軍がマレーシアを侵略す際に、足がかりとして初上陸した場所なんだって。だから、日本とは深い関係がある土地。実は、Jがコタバルに行く事を決めたのも、この記念館に行きたかったから。朝イチで訪れた記念館で、Jは心臓を掴まれるような苦しさを味わった。数々の写真や説明があったんだけど、最後は戦犯である日本の軍人たちが絞首刑になる瞬間の写真。しかも、記念館を出たあと、街で日本語の達者なマレーシア人の老父に出会い、「戦争中は日本軍のお陰で大変辛く苦しい思いをした・・・」と聞かされる。とても複雑な気持ちになった。二度と犯してはいけない過ちだと強く思ったよ。

第二次世界大戦記念館の外観(内部は撮影禁止)


外に展示してあった旧日本軍のボート。“ケランタン上陸の際に使われた”とあった


 気を取り直して?後半も車椅子でコタバルの街を散策したんだけど、多分Jは街の有名人になったと思う(笑) だって、街中を車椅子で動き回る人なんて過去に居なかったのでは??と思うくらい視線を感じたから。しかも、階段ばかりの不便な街だけど、地べたに座って車椅子を担いで動き回ったから、かなりたくさんの人に助けてもらったよ。この日も相当数の人に声を掛けられたし、気が付けば、あっという間に夜の7時を過ぎて帰る時間に。


コタバルで唯一タクシーを使って行ったパンタイ・チンタ・ベラヒビーチ


セントラルマーケットは活気があった!


 KLへの帰路は夜行バスをチョイス。夜9時にコタバル郊外のターミナルを出発し、約9時間のドライブだったけど、これは2度目なので慣れたもの。バスは席も広いしリ、クライニング幅も大きいので快適だった。それにしても、深夜の1時過ぎに休憩が入るのは良いけど、トイレ休憩だけかと思いきや、食事タイムでJ以外は全員下車。多分40分くらい停車していたと思う。なにも夜中の1時に食事をしなくたって!この国の人は、よほど食べる事が好きらしい(笑)


コタバル郊外にあるバスターミナル・ランガには車椅子で30分転がして行った


バスの中から休憩所の食堂を写す(バスの時計は1時22分を指している)


 こんな感じで1泊4日のケランタン旅行は幕を閉じた。この旅で心掛けたのは、なるべく自分の足(車椅子)で回り、少しでも地元民と近い視線で細かい所まで見て回ること。自動車で通り過ぎたら見えない部分や、その土地の匂いを充分感じることが出来たと思う。それと、旅の間は「我ながら面白い経験をたくさんしてるなぁ」と、自分に浸ったね(笑)決してお金では買えない“貴重な経験“が増えていることを自負してる。また、それが自信となり、次へのステップを後押しする力となる。このまま行けるところまで行くつもり。自分らしく生きるために・・・、人生に”後悔“という2文字を残さないために。 よし、かっこ良く締めくくれた!かな?(笑)

 最後に訪ねた主な観光スポットと収支を書きに示そう。

<訪問場所>

コタバル
1)第二次世界大戦記念館
2)ムルデカ広場(マレーシアの独立記念公園)
3)イスラム博物館(イスラム教を伝える碑文や写真を展示)
4)ケランタン州立博物館(州の歴史や工芸品を多数展示)
5)ハンディクラフト博物館(自分に工芸品バティックの土産を買った)
6)パンタイ・チンタ・ベラヒビーチ(夜や週末は賑わうらしいが、平日昼間は閑散)
7)セントラルマーケット(3階建てだが階段なので1階の食料品売り場のみ見学)
8)ナイトマーケット(夕方になると何処からとなく店が出始めてマーケットになる)

トゥンパ
1)ワット・ポティビハン(写真を掲載した寝釈迦がある仏教寺院)
2)ワット・マチラン(大きな座仏像のある仏教寺院)
3)ワット・スワンキリ(ドラゴン像がある仏教寺院)

ランタン・パンジャン
1)タイとの国境にある通関(車でも歩いてでも国境越えは出来るらしい)
2)国境付近のマーケット(タイからの車が多く、品物豊富で安い×2)

<費用内訳>
電車賃         アンパンパーク〜KLセントラル            MR2
             KLセントラル〜パシル・マス              MR15
電車内の夕食    ミゴレン(焼きそば)&水                MR5
朝食           ロティチャナイ&アイスコーヒー             MR2
タクシー代      3時間強の貸切り                     MR50
宿泊代         ホテル ペルダナ1泊                  MR136
夕食          中華食堂にてビール2本含               MR30
昼食          マレー系食堂にて                     MR6
夕食          フードコートにてマレー食                 MR6
入場料        各種記念館等                       MR3
絵葉書代       趣味の絵葉書を購入                   MR4
切手代        自分と友人に絵葉書を送る               MR3
タクシー代      コタバル街〜ビーチ往復                 MR30
スナック代      バス用の水とスナック                    MR4
バス代        ランガ〜KLのバスターミナル              MR30
タクシー代       KLバスターミナル〜自宅                MR10
土産代        久しぶりに母と自分へ土産購入             MR100
雑費          乾電池、水、ガム等                     MR20 
合計                                     MR456(約14,000円也) 


−おわり−



サイトトップへ 体験記トップへ mail to Jimbo