サイトトップへ 体験記トップへ mail to Jimbo 2002.02.09.


ブルーグラス・インビテーショナル in ケンタッキー
          〜若き勇者たちにアッパレ!

 皆さんこんにちは。先週末は遠征でケンタッキー州のレキシントンを旅してきました。通常は飛行機での遠征が多いのですが、今回の遠征はチームバスで約6時間の旅でした。移動時に選手はバスの2席を貰い、移動中は読書をしたり、ビデオを見たりとリラックスできるので、あまり大きなストレスにはなりません。ちなみに神保は大半を寝て過ごし、あとの時間はパソコンをしました。レイクショアはチームバスを3台所有しており、遠征や大会での送迎に使えるようになっています。今回は、チームバスの後ろに車椅子や荷物用のレンタルカーゴをけん引して、ケンタッキーに乗り込みました。ちなみに米国では選手が車を運転したり、交通費を自分で払う必要はないので、この辺は日本と大きく違うところかも知れません。また、聞く所によるとテネシーのチームは選手9人とスタッフ数人のためだけに、遠征用のチームバス(リフト付き大型観光バス)を購入したらしく、ある選手が「プレステをしながら、非常に快適な移動が出来た」と誇らしげに言っていました。レイクショアのバスはスクールバスに毛が生えた程度です・・・・。羨ましいなーーー。


レキシントンに向かう車中での一コマ。
ちょうどこの時は、友達からのe-mailに返事を書いていました。

 このブルーグラス杯は、地方のトーナメントでも一番大きな規模の大会で、毎年D1全チームとD2の上位10チームくらいが参加する大会です。ただし、D1とD2は分かれていて、D1はD1のチーム、D2はD2のチームとしか戦いません。もちろん優勝チームも2チームとなります。この大会の面白い所はトーナメント表です。通常のトーナメントは負けた時点で終わりですが、この大会は“表”と、負けても敗者用の“裏”トーナメント表が用意されているのです。したがって、負けたチームは負けたチーム同志で戦います。そのため、仮に優勝候補同士が“表“の1,2回戦で当たったとしても、負けたチームは”裏“で勝ちあがれば決勝に進める可能性もあるのです。また、”表“で勝ち上がったチームは、決勝まで3試合でたどり着くのですが、1回戦で負けたチームが”裏“で決勝に進むには、計算上7,8試合を戦う必要があるという過酷なスケジュールなのです。その代わり、色々なチームの対戦が実現するし、必ず実力のあるチームが勝ち上がれるので、どの試合も接戦が多くとてもレベルの高い試合が展開されるのです。

 我がストームの1回戦はイリノイ大学でした。今年はカナダのエース、パトリック・アンダーソン選手がいないので、勝ち目があるかなーと思ったのですが、甘かったようです。前半は3点差で折り返したのですが、彼らのタフな動きに我がオールドチームはいつものように崩れ、終ってみれば91−63で退廃しました。大学のチーム全般に言えることは、彼らは技術的な未熟さを情熱と若さ(スピードやスタミナ)でカバーしているのですが、これが結構凄くて対戦相手の選手は切れたり諦めてしまう人が少なくないのです。敗者として望んだ“裏”ではテネシーと当たったのですが、大接戦の末、残り6秒で逆転ゴールを許し2点差で敗退したのでした。まあ、この試合は全米ランク4位のテネシーを相手に良くやったのではないかと思います。通常は2回連続で負けるとそこで終るのですが、今回は順位決定戦も用意されており、3試合目にデンバーと戦いました。この試合に勝てば7,8位決定戦に進め、負ければ最下位決定という試合でしたが、20点以上離されて、あえなく3連敗となりました。この試合でちょっとしたトラブルがあり、神保は後半試合に出ませんでした。残念ですが、我がチームは最下位で大会を終えたのです。

 今年は毎試合非常に厳しい試合が続き、勝てない中でのストレスがチームの状況を悪化させています。年配の選手は相手の厳しいDFに切れて、暴言を吐いたり手を出して度々テクニカルファールを取られるし、必ずと言って良いほど、前半が良くても後半に崩れて大敗するのです。この中で神保は「どうすればチームが良くなるのか?」と言うことを考えるのですが、コーチと話したり、気合を入れたプレーでアピールしてもなかなか改善は見られません。自分自身には「良い経験をしているのだ!」と言い聞かせているのですが、正直いって車椅子バスケを始めてから、14年間で初めて味わう長く苦しい敗者の屈辱感とストレスの日々です。


ダラス対デンバーの試合風景。
ダラス5番ウエルチ選手、42番ビーク選手、デンバー24番のナイト選手は、ともに北九州ゴールドカップの全米代表選手です。


 ところで、この大会で信じ難い事実を目の当たりにしたのです。というのも優勝をしたのは順当に全米ランク1位のミルウォーキーだったようですが(先に帰ったので決勝戦は観てない)、彼らは全米代表選手5名とカナダ代表選手2名で構成されており、そうそうたるメンバーを揃えているのです。その他でも、ダラスやテネシーなどは各国の代表選手がひしめくプロ集団で、試合を観ていても質の違いを感じました。が、しかし、このダラスやテネシーをなぎ倒し、ミルウォーキーでさえも手こずらせたチームがあるのです。それはUTA(テキサス州立大学アーリントン校)。ここには唯一全米代表の若きエース、ポール・ショルティー選手がいるのですが、その他の選手を見ると高さ的にも神保より高い選手は一人もいないし、よく見ると昨年はジュニア(18歳以下)の大会で活躍していて、「将来が楽しみだなー」なんて思っていた選手が中心となっているのです。彼らの多くはまだ18、9歳ですが、試合を観ていて感じたのは、とにかく速いしスタミナがあるし、イージーシュートは落とさないということでした。正直なところ戦略的には、あまり見えてこなかったのですが、とにかく走り続けて、ボールを追い続けているのです。点差を気にすることもなくひたすら全力でプレーしている姿は、とても気持ちが良いものです。2回戦で戦ったミルウォーキーとは、一時30点近く話されたにも関わらず、最後には一桁差まで縮める勢いを見せて、相手の選手を慌てさせました。敗者戦で当たったダラスには、スピード、スタミナでは誰もが認める世界トップクラスのスティーブ・ウエルチ選手でさえ、後半はバテたようで元気がありませんでした。結局ダラスはその他の選手も疲労からかシュートが入らなくなり、20点近く離されてUTAに完敗したのです。

 それは神保にとって信じられない光景でした。高さもなく技術もままだの選手たちが、ここまでやるとは感動に近いものがありました。これを全日本に当てはめて考えてみると、やっぱりアメリカを倒すことは決して無理なことではないと感じました。もちろん、アメリカの選手は層も厚いし上手い選手は山ほどいます。でも、UTAの選手たちはその強いチームの勝ち方を見せてくれました。もちろん日本には課題もたくさんあります。それは選手自体もそうだし、組織の部分にも当てはまります。それでも、もっと自信を持って前向きに考え、行動していけば面白くなるような気がしています。 おっと、その前に風呂屋で勝つためにどうすれば良いかを考える必要があるかも知れないなー。春に帰ったら、まずは“声だし”から始めよう!(笑) そうそう、数チームと移籍の話しもしたんだけど、今はタイムリーな次期ではないので、またそのうちに裏事情も交えて書きたいと思います。

最終結果
優  勝 ミルウォーキー・バックス
準優勝 ゴールデンステート・ウォーリアーズ
3  位 UTA

以 下  ダラス・マーベリック、イリノイ大学、ミュージックシティ・ライトニング、デンバー・ナゲッツ、シャーロット・バズ、そして我がレイクショア・ストームで、テキサスのオースティン・ワーカースが急遽辞退で不参加でした。


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